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居住外国法人と非居住外国法人
2017/11/19

 フィリピン会社法における「外国法人」の定義は、フィリピン以外の国の法律により設立・組織化された法人のことを外国法人といいます。(日本法人が設立した現地法人は法律上の外国法人ではないことに留意してください。)

 所得税法上、外国法人は居住外国法人(Resident Foreign Corporations)と非居住外国法人(Non Resident Foreign Corporations)  とに分類されます。居住外国法人とはフィリピンにおいて事業活動を行っている法人のことであり、一方で非居住外国法人とはフィリピンで事業活動を行わない法人のことを指します。所得税法上、本質的に居住外国法人と非居住外国法人は同じとされています。

 

 居住外国法人及び非居住外国法人は課税される方法にそれぞれの違いはありますが、共通しているのはフィリピンにおいて得られた所得(国内源泉所得)に対して課税され、フィリピン国外においてえられた所得(源泉所得)に対しては課税されないということです。課税範囲が日本の法人税法におけるそれとが異なるのが特徴です。

 非居住外国法人 (NRFC)への課税は基本的にフィリピン国内源泉所得における収入額の30%が課税され、居住外国法人(RFC)は課税所得に対して30%の税率が摘要されます。また居住外国法人は法人所得税の申告やその他の税務申告や届出が必要となります、一方、非居住外国法人はそれらの申告を必要とせず Final Withholding Taxと呼ばれる源泉徴収義務者による源泉分離課税方式での課税により納税が完結します。

 事業体がフィリピン国内において居住外国法人または非居住外国法人であるかを判断するための基準として、フィリピンにPermanent Establishment (PE) の存在の有無を認識されることとなります。PEとはフィリピンにおいて事業を行う際に拠点となる場所のことですが、オフィスや倉庫、工場、支店等がPEの例として挙げられます。その他の例として、ある一定の期間フィリピンに代表者、事業責任者やエージェントなどが駐在するケースや活動内容の性質や種類により認定されることもあります。PE認定された場合、外国の保人や事業体がPEを通じて事業やビジネスを展開しているとされ、PEに帰属する収入はフィリピンにおける法人所得税等の対象となります。

 分かりやすいPE認定の一例として、外国法人がフィリピンに支店を設けることで結果的にPE認定されることになります。またさらに分かりやすい例として外国法人がフィリピンで事業を行うために Philippines Security Exchange Commission (SEC)に登録することがありますが、それは単なる支店としての登録ではあっても、居住外国法人(Residend Foreign Corporations) と認定されます。また支店(居住外国法人と認定された事業所)は、Breau of Revenue に登録する義務があり、法人所得税やその他の事業所に関連する税の申告及び納税義務を負うこととなります。

 しかしながら、短期間の事業活動を行う事業体ではあるが、PE認定されうる十分な要件を備えた事業体はどうでしょうか。それらは居住外国法人または非居住外国法人と認定されるのでしょうか。

 これに対する比較的新しい租税審理裁判所の判例 (Court of Tax Appeal Case 6388, August 22th, 2005) として、以下のように判決が下されています。

「税制上、PE認定されたというだけであれば、税制上の地位は非居住外国法人としての立場を有することとなる。これはSECから事業ライセンスを取得しておらず、且つBIR (Breau of Internal revenue) に登録していない事業所を取り扱ったケースです。この場合は、非居住外国法人として扱われ、税金の納付形態はFinal Withholding Tax により徴収されるのみとされています。

 一方、BIRは裁判所の判例とは異なる取り扱いをしています。フィリピンにおけるPE認定された外国法人に対するFinal withholding Taxの対象となる支払に対しては多くの確認事項が要求されます。また居住外国法人として扱われる事業所、すなわちフィリピンにおいて事業活動を行うとしてPE認定を受けた事業所もまた多くのルール付けが近年されるようになりました。その場合は、Tax Identification Number (TIN:納税者番号)の取得が義務付けられるようになります。しかしながら、PE認定における登録に関する特定の税務ガイドラインがきちんと定まっておらず、これが税務手続を混乱させる要因となっています。一つのルールとして外国法人はPEの事業所の所在地を登録することが出来るとされています。我々の会社の管轄税務署(RDO 39)によれば、ワンタイムTINの取得で足りるということを公式に発表していますが、これも管轄税務署により考え方や取り扱いが異なる一つの例といえるでしょう。

 

 これらの情報を踏まえて、総合的に判断して得られる結論は、PE認定された外国法人はフィリピンにおいて事業活動を行う限りはその事業所は居住外国法人として扱われるのが一般的でしょう。しかし、SEC等に登録していない外国法人に関しては、PE認定や納税方法についてさらに慎重に検討して統一したルール作りをするべき分野だろうと考えています。これからの経済発展に伴って進出する外国企業もますます増える傾向にあります。PE認定されるかどうか、居住外国法人として扱われるか、非居住外国法人となるかの統一したルール作りが急務といえるでしょう。

 

 

 








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