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フィリピン 年末及び新年の税務手続一覧 (英文)
2017/12/6

1. BIR ANNUAL COMPLIANCE
• Annualization and refund of excess withholding on compensation — Any deficiency must be deducted from the December pay. The excess withholding tax on the annual compensation of the employees at yearend should be refunded by Jan. 25, 2018.

• Preparation and submission of Bureau of Internal Revenue (BIR) Form 1604CF and 1604E (Annual information return of income taxes withheld.)  — This is also a good time to evaluate if expenses have been properly subjected to withholding tax and implement any corrections, if necessary.

• Registration of books of account — This includes the submission of computerized books of account and permanently bound computer-generated/loose-leaf books of account used in the taxable year 2017, due on Jan. 30, 2018.

• Submission of inventory list — Taxpayers are required to file an inventory list of finished goods, work in progress, raw materials, supplies, and stock-in-trade not later than Jan. 30, 2018. Be reminded of the format prescribed in Revenue Memorandum Circular No. 57-2015.

• Submission of list of regular suppliers by large taxpayers — This semestral summary list of regular suppliers of goods and/or services must be submitted to the Large Taxpayers Assistance Division/Large Taxpayer District Office by Jan. 31, 2018.

• Renewal of business registration with BIR — An annual registration fee of P500 should be paid on or before Jan. 31, 2018.

• Distribution and submission of BIR form 2316 (Certificates of Compensation payment/tax withheld) — All employees, including those who qualify for substituted filing or as minimum wage earners, must be provided with a copy of their BIR Form 2316. If you have many employees and you would like to use a digital signature, approval must be secured from the BIR.

2. FILING OF ITR AND FINANCIAL STATEMENT
Taxpayers with FY ending on Aug. 31, 2017, are required to submit and file to the BIR the Annual Income Tax Return (ITR) and the Audited Financial Statements due on Dec. 15, 2017.

3. RENEWAL OF REGISTRATIONS WITH LGUS
The renewal of business permits with the local government unit (LGU) includes, but is not limited to, payment of local business tax, mayor’s permit fee, barangay clearance, community tax certificate, fire safety certificate and sanitary fee, garbage fee, engineering fees, and other charges imposed by the LGU.

4. PREPARATIONS FOR THE IMPLEMENTATION OF THE TAX REFORM
Before the year ends, we anticipate the approval of the House of Representatives and Senate version of the Tax Reform for Acceleration and Inclusion (TRAIN) Bill.

We expect that beginning January 2018, there will be changes to the computations of tax payments, especially on the withholding of employees’ compensation.

With this, we may have to prepare and educate our finance teams or human resources professionals who are responsible for payroll processing and reporting requirements. There will be changes in the classification of income into exempt or taxable income. Tax exemptions, deductions, or credits, as well as the tax rates for compensation income earners, will change. A new withholding tax table should be issued soon. There will be a need to change systems and procedures, whether they are manually done or through a computerized system.

The increase in VAT exemption threshold to P3 million has been proposed by both the House and the Senate. For small businesses who are on the margins, there is an opportunity to evaluate whether you would like to continue as a VAT-registered entity or apply for deregistration from the VAT. This means you will just pay the 3% percentage tax monthly.

For individuals in business who are within the VAT threshold, you may also have to evaluate and decide on the income tax regime that would be best for you. The options include the 8% tax on gross revenue and the graduated rates on net income, which may be computed based on itemized or optional standard deduction.

I am sure big businesses in the petroleum, automobile, and beverage industries have long planned for the proposed changes in the excise tax and the new tax on sugar-sweetened beverages. As consumers, too, the impact on our costs may require a change in our purchasing or consumption decisions.

As the holiday season draws near, it is important to have everything in place to ensure that no detail is left undone.

End the year right, as we hope to begin the new year with a bang.

 from Web Site of Grand Thonson Year ender list – Things to keep in mind  

 




日比租税条約
2017/12/1
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約

 
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約をここに公布する。
日本国及びフィリピン共和国は、
所得に対する租税に関し、二重課税を回避し及び脱税を防止するための条約を締結することを希望して、
次のとおり協定した。
 
 
第1条 この条約は、一方又は双方の締約国の居住者である者に適用する。
 
 
第2条  
(1)この条約の対象である租税は、次のものとする。
(a)日本国においては、所得税及び法人税(以下「日本国の租税」という。)
(b)フィリピンにおいては、フィリピンの所得税(以下「フィリピンの租税」という。)
(2)この条約は、(1)に掲げる租税に加えて又はこれに代わつてこの条約の署名の日の後に課される租税であつて(1)に掲げる租税と同一の又はこれと実質的に類似するものについても、また、適用する。両締約国の権限のある当局は、それぞれの国の税法について行われた実質的な改正を、その改正後の妥当な期間内に、相互に通知する。
 
 
第3条  
(1)この条約の適用上、文脈により別に解釈すべき場合を除くほか、
(a)「日本国」とは、地理的意味で用いる場合には、日本国の租税に関する法令が施行されているすべての領域をいう。
(b)「フィリピン」とは、フィリピン共和国をいい、地理的意味で用いる場合には、フィリピン共和国を構成する領域をいう。
(c)「一方の締約国」及び「他方の締約国」とは、文脈により、日本国又はフィリピンをいう。
(d)「租税」とは、文脈により、日本国の租税又はフィリピンの租税をいう。
(e)「者」とは、個人、法人及び法人以外の団体をいう。
(f)「法人」とは、法人格を有する団体又は租税に関し法人格を有する団体として取り扱われる団体をいう。
(g)「一方の締約国の企業」及び「他方の締約国の企業」とは、それぞれ一方の締約国の居住者が営む企業及び他方の締約国の居住者が営む企業をいう。
(h)「国民」とは、
(i)フィリピンについては、フィリピンの市民権を有するすべての個人並びにフィリピンの法令に基づいて設立され又は組織されたすべての法人及び法人格を有しないがフィリピンの租税に関しフィリピンの法令に基づいて設立され又は組織された法人として取り扱われるすべての団体をいう。
(ii)日本国については、日本国の国籍を有するすべての個人並びに日本国の法令に基づいて設立され又は組織されたすべての法人及び法人格を有しないが日本国の租税に関し日本国の法令に基づいて設立され又は組織された法人として取り扱われるすべての団体をいう。
(i)「国際運輸」とは、一方の締約国の企業が運用する船舶又は航空機による運送(他方の締約国内の地点の間においてのみ運用される船舶又は航空機による運送を除く。)をいう。
(j)いずれかの締約国について「権限のある当局」とは、その締約国の大蔵大臣又は権限を与えられたその代理者をいう。
(2)一方の締約国によるこの条約の適用上、この条約において定義されていない用語は、文脈により別に解釈すべき場合を除くほか、この条約が適用される租税に関する当該一方の締約国の法令上有する意義を有するものとする。
 
 
第4条  
(1)この条約の適用上、「一方の締約国の居住者」とは、当該一方の締約国の法令の下において、住所、居所、本店又は主たる事務所の所在地、法人の設立場所その他これらに類する基準により当該一方の締約国において課税を受けるべきものとされる者をいう。ただし、この用語には、当該一方の締約国内に源泉のある所得のみについて当該一方の締約国において課税される者を含まない。
(2)(1)の規定により双方の締約国の居住者に該当する者については、両締約国の権限のある当局は、合意により、この条約の適用上その者が居住者であるとみなされる締約国を決定する。
 
 
第5条  
(1)この条約の適用上、「恒久的施設」とは、事業を行う一定の場所であつて企業がその事業の全部又は一部を行つている場所をいう。
(2)「恒久的施設」には、特に、次のものを含む。
(a)店舗その他の販売所
(b)支店
(c)事務所
(d)工場
(e)作業場
(f)倉庫
(g)鉱山、石油又は天然ガスの坑井、採石場その他天然資源を採取する場所
(3)建築工事現場又は建設若しくは据付工事は、6箇月を超える期間存続する場合に限り、「恒久的施設」とする。
(4)(1)から(3)までの規定にかかわらず、「恒久的施設」には、次のことは、含まれないものとする。
(a)企業に属する物品又は商品の保管、展示又は引渡しのためにのみ施設を使用すること。
(b)企業に属する物品又は商品の在庫を保管、展示又は引渡しのためにのみ保有すること。
(c)企業に属する物品又は商品の在庫を他の企業による加工のためにのみ保有すること。
(d)企業のために、物品若しくは商品を購入し又は情報を収集することのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。
(e)企業のために、その他の準備的又は補助的な性格の活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。
(f)(a)から(e)までに掲げる活動を組み合わせた活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。ただし、当該一定の場所におけるこのような組合せによる活動の全体が準備的又は補助的な性格のものである場合に限る。
(5)一方の締約国内で他方の締約国の企業に代わつて行動する者((7)の規定が適用される独立の地位を有する代理人を除く。)が次のいずれかの活動を行う場合には、当該企業は、その者が当該企業のために行うすべての活動について、当該一方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとする。
(a)当該一方の締約国内で、当該企業の名において契約を締結する権限を有し、かつ、この権限を反復して行使すること。ただし、その活動が(4)に掲げる活動(事業を行う一定の場所で行われたとしても、(4)の規定により当該一定の場所が「恒久的施設」とされない活動)のみである場合は、この限りでない。
(b)当該一方の締約国内で、専ら又は主として当該企業のため又は当該企業及び当該企業を支配し若しくは当該企業に支配されている他の企業のため、反復して注文を取得すること。
(c)当該一方の締約国内で、当該企業に属する物品又は商品の在庫を保有し、かつ、当該在庫により当該企業に代わつて反復して注文に応ずること。
(6)一方の締約国の企業が他方の締約国内において使用人その他の職員((7)の規定が適用される独立の地位を有する代理人を除く。)を通じてコンサルタントの役務又は建築、建設若しくは据付工事に係る契約に関連する監督の役務を提供する場合には、このような活動が単一の工事又は複数の関連工事について一課税年度において合計6箇月を超える期間行われるときに限り、当該企業は、当該他方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとする。ただし、このような役務が経済協力又は技術協力に関する両締約国の政府間の合意に基づいて提供される場合には、当該企業は、この条のいかなる規定にもかかわらず、当該他方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとされない。
(7)一方の締約国の企業は、通常の方法でその業務を行う真正な仲立人、問屋その他の独立の地位を有する代理人を通じて他方の締約国内で事業活動を行つているという理由のみでは、当該他方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとされない。
(8)一方の締約国の居住者である法人が、他方の締約国の居住者である法人若しくは他方の締約国内において事業(「恒久的施設」を通じて行われるか否かを問わない。)を行う法人を支配し、又はこれらに支配されているという事実のみによつては、いずれの一方の法人も、他方の法人の「恒久的施設」とはされない。
(9)保険業を営む一方の締約国の企業が、使用人又は代表者((7)に規定する独立の地位を有する代理人を除く。)を通じ、他方の締約国内で保険料の受領(再保険に係る保険料の受領を除く。)をする場合又は当該他方の締約国内で生ずる危険の保険(再保険を除く。)をする場合には、当該企業は、当該他方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとする。
 
 
第6条  
(1)一方の締約国の居住者が他方の締約国に存在する不動産から取得する所得に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(2)「不動産」の用語は、当該財産が存在する締約国の法令上有する意義を有するものとする。不動産には、いかなる場合にも、これに附属する財産、農業又は林業に用いられている家畜類及び設備、不動産に関する一般法の規定の適用がある権利、不動産用益権並びに鉱石、水その他の天然資源の採取又は採取の権利の対価として料金(金額が確定しているか否かを問わない。)を受領する権利を含む。船舶及び航空機は、不動産とはみなさない。
(3)(1)の規定は、不動産の直接使用、賃貸その他のすべての形式による使用から生ずる所得について適用する。
(4)(1)及び(3)の規定は、企業の不動産から生ずる所得及び独立の人的役務を提供するために使用される不動産から生ずる所得についても、適用する。
 
 
第7条  
(1)一方の締約国の企業の利得に対しては、その企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内で事業を行わない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。一方の締約国の企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内で事業を行う場合には、その企業の利得のうち当該恒久的施設に帰せられる部分に対してのみ、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(2)(3)の規定に従うことを条件として、一方の締約国の企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内で事業を行う場合には、当該恒久的施設が、同一又は類似の条件で同一又は類似の活動を行い、かつ、当該恒久的施設を有する企業と全く独立の立場で取引を行う別個のかつ分離した企業であるとしたならば、当該恒久的施設の取得したとみられる利得が、各締約国において当該恒久的施設に帰せられるものとする。
(3)恒久的施設の利得を決定するに当たつては、経営費及び一般管理費を含む費用で当該恒久的施設のために生じたものは、当該恒久的施設が存在する締約国内で生じたものであるか他の場所において生じたものであるかを問わず、損金に算入することを認められる。
(4)(2)の規定は、恒久的施設に帰せられるべき利得を企業の利得の総額の当該企業の各構成部分への配分によつて決定する慣行が一方の締約国にある場合には、租税を課されるべき利得をその慣行とされている配分の方法によつてその締約国が決定することを妨げるものではない。ただし、用いられる配分の方法は、当該配分の方法によつて得た結果がこの条に定める原則に適合するようなものでなければならない。
(5)恒久的施設が企業のために行つた物品又は商品の単なる購入を理由としては、いかなる利得も、その恒久的施設に帰せられることはない。
(6)(1)から(5)までの規定の適用上、恒久的施設に帰せられる利得は、毎年同一の方法によつて決定する。ただし、別の方法を用いることについて正当な理由がある場合は、この限りでない。
(7)他の条で別個に取り扱われている種類の所得が企業の利得に含まれる場合には、当該他の条の規定は、この条の規定によつて影響されることはない。
 
 
第8条  
(1)一方の締約国の企業が船舶又は航空機を国際運輸に運用することによつて他方の締約国において取得する利得に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。その租税の額は、この条約の署名の日に有効な当該他方の締約国の法令により課される租税の額の60パーセントとする。
(2)(1)の規定は、共同計算、共同経営又は国際経営共同体に参加していることによつて取得する利得についても、また、適用する。
 
 
第9条  
(a)一方の締約国の企業が他方の締約国の企業の経営、支配若しくは資本に直接若しくは間接に参加している場合又は
(b)同一の者が一方の締約国の企業及び他方の締約国の企業の経営、支配若しくは資本に直接若しくは間接に参加している場合
であつて、そのいずれかの場合においても、商業上又は資金上の関係において、双方の企業の間に、独立の企業の間に設けられる条件と異なる条件が設けられ又は課されているときは、その条件がないとしたならば一方の企業の利得となつたとみられる利得であつてその条件のために当該一方の企業の利得とならなかつたものに対しては、これを当該一方の企業の利得に算入して租税を課することができる。
 
 
第10条  
(1)一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国の居住者に支払う配当に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(2)(1)の配当に対しては、これを支払う法人が居住者とされる締約国においても、また、当該締約国の法令に従つて租税を課することができる。その租税の額は、当該配当の受領者が当該配当の受益者である場合には、次のものを超えないものとする。
(a)当該配当の受益者が、当該配当の支払の日に先立つ6箇月の期間を通じ、当該配当を支払う法人の議決権のある株式又は発行済株式の少なくとも25パーセントを直接に所有する法人である場合には、当該配当の額の10パーセント
(b)その他のすべての場合には、当該配当の額の25パーセント
 この規定は、配当に充てられる利得についての当該法人に対する課税に影響を及ぼすものではない。
(3)(2)の規定にかかわらず、フィリピンの居住者である法人であつて、フィリピンの投資奨励法令の下において投資委員会に登録され投資優先産業における創始的部門に従事するものが、その受益者である日本国の居住者に支払う配当に対してフィリピンにおいて課される租税の額は、当該配当の額の10パーセントを超えないものとする。
(4)この条において、「配当」とは、株式その他利得の分配を受ける権利(信用に係る債権を除く。)から生ずる所得及びその他の持分から生ずる所得であつて分配を行う法人が居住者とされる締約国の税法上株式から生ずる所得と同様に取り扱われるものをいう。
(5)(1)から(3)までの規定は、一方の締約国の居住者である配当の受益者が、その配当を支払う法人が居住者とされる他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該配当の支払の基因となつた株式その他の持分が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質的に関連するものであるときは、適用しない。この場合には、第7条又は第14条の規定を適用する。
(6)一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国から利得又は所得を取得する場合には、当該他方の締約国は、その法人が支払う配当及びその法人の留保所得については、これらの配当及び留保所得の全部又は一部が当該他方の締約国内で生じた利得又は所得から成るときにおいても、当該配当(当該他方の締約国の居住者に支払われるもの又は当該配当の支払の基因となつた株式その他の持分が当該他方の締約国内にある恒久的施設若しくは固定的施設と実質的に関連するものを除く。)に対していかなる租税も課することができず、また、当該留保所得に対して租税を課することができない。
 
 
第11条  
(1)一方の締約国内で生じ、他方の締約国の居住者に支払われる利子に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(2)(1)の利子に対しては、当該利子が生じた締約国においても、また、当該締約国の法令に従つて租税を課することができる。その租税の額は、当該利子の受領者が当該利子の受益者である場合には、次のものを超えないものとする。
(a)当該利子が公債、債券又は社債について支払われるものである場合には、当該利子の額の10パーセント
(b)その他のすべての場合には、当該利子の額の15パーセント
(3)(2)の規定にかかわらず、フィリピンの居住者である法人であつて、フィリピンの投資奨励法令の下において投資委員会に登録され投資優先産業における創始的部門に従事するものが、その受益者である日本国の居住者に支払う利子に対してフィリピンにおいて課される租税の額は、当該利子の額の10パーセントを超えないものとする。
(4)(2)及び(3)の規定にかかわらず、一方の締約国内で生ずる利子であつて、他方の締約国の政府(地方政府及び地方公共団体を含む。)、当該他方の締約国の中央銀行又は当該他方の締約国の政府の所有する金融機関が取得するもの及び当該他方の締約国の政府(地方政府及び地方公共団体を含む。)、当該他方の締約国の中央銀行若しくは当該他方の締約国の政府の所有する金融機関によつて保証された債権又はこれらによる間接融資に係る債権に関し当該他方の締約国の居住者が取得するものについては、当該一方の締約国において租税を免除する。
 この規定の適用上、「政府の所有する金融機関」とは、次のものをいう。
(a)日本国については、日本輸出入銀行、海外経済協力基金及び国際協力事業団
(b)フィリピンについては、フィリピン開発銀行
(c)いずれかの締約国の政府が資本の全部を所有する金融機関((a)及び(b)に掲げる金融機関を除く。)で両締約国の政府が随時合意するもの
(5)この条において、「利子」とは、すべての種類の信用に係る債権(担保の有無及び債務者の利得の分配を受ける権利の有無を問わない。)から生じた所得をいい、特に、公債、債券又は社債から生じた所得(公債、債券又は社債の割増金及び賞金を含む。)をいう。
(6)(1)から(3)までの規定は、一方の締約国の居住者である利子の受益者が、その利子の生じた他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該利子の支払の基因となつた債権が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質的に関連するものであるときは、適用しない。この場合には、第7条又は第14条の規定を適用する。
(7)利子は、その支払者が一方の締約国又は当該一方の締約国の地方政府、地方公共団体若しくは居住者である場合には、当該一方の締約国内で生じたものとされる。ただし、利子の支払者(締約国の居住者であるか否かを問わない。)が一方の締約国内に恒久的施設又は固定的施設を有する場合において、その利子の支払の基因となつた債務が当該恒久的施設又は固定的施設について生じ、かつ、その利子が当該恒久的施設又は固定的施設によつて負担されるものであるときは、当該利子は、当該恒久的施設又は固定的施設が存在する当該一方の締約国内で生じたものとされる。
(8)利子の支払者と受益者との間又はその双方と第三者との間の特別の関係により、利子の額が、その支払の基因となつた債権を考慮する場合において、その関係がないとしたならば支払者及び受益者が合意したとみられる額を超えるときは、この条の規定は、その合意したとみられる額についてのみ適用する。この場合には、支払われた額のうち超過分に対し、この条約の他の規定に妥当な考慮を払つた上、各締約国の法令に従つて租税を課することができる。
 
 
第12条  
(1)一方の締約国内で生じ、他方の締約国の居住者に支払われる使用料に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(2)(1)の使用料に対しては、当該使用料が生じた締約国においても、また、当該締約国の法令に従つて租税を課することができる。その租税の額は、当該使用料の受領者が当該使用料の受益者である場合には、次のものを超えないものとする。
(a)当該使用料が、映画フィルムの使用又は使用の権利及びラジオ放送用又はテレビジョン放送用のフィルム又はテープの使用又は使用の権利に対して支払われるものである場合には、当該使用料の額の15パーセント
(b)その他のすべての場合には、当該使用料の額の25パーセント
(3)(2)の規定にかかわらず、フィリピンの居住者である法人であつて、フィリピンの投資奨励法令の下において投資委員会に登録され投資優先産業における創始的部門に従事するものが、その受益者である日本国の居住者に支払う使用料に対してフィリピンにおいて課される租税の額は、当該使用料の額の10パーセントを超えないものとする。
(4)この条において、「使用料」とは、文学上、美術上若しくは学術上の著作物(映画フィルム及びラジオ放送用又はテレビジョン放送用のフィルム又はテープを含む。)の著作権、特許権、商標権、意匠、模型、図面、秘密方式若しくは秘密工程の使用若しくは使用の権利の対価として、産業上、商業上若しくは学術上の設備の使用若しくは使用の権利の対価として、又は産業上、商業上若しくは学術上の経験に関する情報の対価として受領するすべての種類の支払金をいう。
(5)(1)から(3)までの規定は、一方の締約国の居住者である使用料の受益者が、その使用料の生じた他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該使用料の支払の基因となつた権利又は財産が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質的に関連するものであるときは、適用しない。この場合には、第7条又は第14条の規定を適用する。
(6)使用料は、その支払者が一方の締約国又は当該一方の締約国の地方政府、地方公共団体若しくは居住者である場合には、当該一方の締約国内で生じたものとされる。ただし、使用料の支払者(締約国の居住者であるか否かを問わない。)が一方の締約国内に恒久的施設又は固定的施設を有する場合において、その使用料を支払う債務が当該恒久的施設又は固定的施設について生じ、かつ、その使用料が当該恒久的施設又は固定的施設によつて負担されるものであるときは、当該使用料は、当該恒久的施設又は固定的施設が存在する当該一方の締約国内で生じたものとされる。
(7)使用料の支払者と受益者との間又はその双方と第三者との間の特別の関係により、使用料の額が、その支払の基因となつた使用、権利又は情報を考慮する場合において、その関係がないとしたならば支払者及び受益者が合意したとみられる額を超えるときは、この条の規定は、その合意したとみられる額についてのみ適用する。この場合には、支払われた額のうち超過分に対し、この条約の他の規定に妥当な考慮を払つた上、各締約国の法令に従つて租税を課することができる。
 
 
第13条  
(1)一方の締約国の居住者が第6条(2)に規定する不動産で他方の締約国に存在するものの譲渡によつて取得する収益に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(2)一方の締約国の企業が他方の締約国内に有する恒久的施設の事業用資産の一部をなす財産(不動産を除く。)の譲渡又は一方の締約国の居住者が独立の人的役務を提供するため他方の締約国において使用することができる固定的施設に係る財産(不動産を除く。)の譲渡から生ずる収益(単独に若しくは企業全体として行われる当該恒久的施設の譲渡又は当該固定的施設の譲渡から生ずる収益を含む。)に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(3)一方の締約国の居住者が国際運輸に運用する船舶又は航空機及びこれらの船舶又は航空機の運用に係る財産(不動産を除く。)の譲渡によつて取得する収益に対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。
(4)一方の締約国に存在する不動産を主要な財産とする法人、組合又は信託の株式その他の持分の譲渡から生ずる収益に対しては、当該一方の締約国において租税を課することができる。
(5)(1)から(4)までに規定する財産以外の財産の譲渡から生ずる収益に対しては、譲渡者が居住者とされる締約国においてのみ租税を課することができる。
 
 
第14条  
(1)一方の締約国の居住者が自由職業その他の独立の性格の活動について取得する所得に対しては、その者が自己の活動を行うため通常使用することができる固定的施設を他方の締約国内に有せず、かつ、その者が当該年を通じ合計120日を超える期間当該他方の締約国内に滞在しない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。その者がそのような固定的施設を有する場合又は前記の期間当該他方の締約国内に滞在する場合には、当該所得に対しては、当該固定的施設に帰せられる部分又は前記の期間を通じ当該他方の締約国内において取得した部分についてのみ、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(2)「自由職業」には、特に、学術上、文学上、美術上及び教育上の独立の活動並びに医師、弁護士、技術士、建築士、歯科医師及び公認会計士の独立の活動を含む。
 
 
第15条  
(1)次条及び第18条から第21条までの規定が適用される場合を除くほか、一方の締約国の居住者がその勤務について取得する給料、賃金その他これらに類する報酬に対しては、その勤務が他方の締約国内で行われない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。勤務が他方の締約国内で行われる場合には、その勤務から生ずる報酬に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
(2)(1)の規定にかかわらず、一方の締約国の居住者が他方の締約国内で行う勤務について取得する報酬に対しては、次の(a)から(c)までに掲げることを条件として、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。
(a)報酬の受領者が当該年を通じて合計183日を超えない期間当該他方の締約国内に滞在すること。
(b)報酬が当該他方の締約国の居住者でない雇用者又はこれに代わる者から支払われること。
(c)報酬が当該他方の締約国内に雇用者の有する恒久的施設又は固定的施設によつて負担されるものでないこと。
(3)(1)及び(2)の規定にかかわらず、一方の締約国の企業が国際運輸に運用する船舶又は航空機において行われる勤務に係る報酬に対しては、当該一方の締約国において租税を課することができる。
 
 
第16条 一方の締約国の居住者が他方の締約国の居住者である法人の役員の資格で取得する役員報酬その他これに類する支払金に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
 
 
第17条  
(1)第14条及び第15条の規定にかかわらず、一方の締約国の居住者である演劇、映画、ラジオ若しくはテレビジョンの俳優、音楽家その他の芸能人又は運動家が芸能人又は運動家として他方の締約国内で行う個人的活動によつて取得する所得に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
 もつとも、そのような活動が文化交流を目的とする両締約国の政府間の特別の計画に基づいて行われ、かつ、いずれかの締約国若しくはいずれかの締約国の地方政府若しくは地方公共団体の公的資金又はいずれかの締約国の特別の法人若しくは非営利団体の資金により実質的に賄われる場合には、その所得については、当該他方の締約国において租税を免除する。
(2)一方の締約国内で行う芸能人又は運動家としての個人的活動に関する所得がその芸能人又は運動家以外の他方の締約国の居住者である者に帰属する場合には、その所得に対しては、第7条、第14条及び第15条の規定にかかわらず、当該一方の締約国において租税を課することができる。
 もつとも、そのような活動が他方の締約国の居住者である芸能人又は運動家によつて文化交流を目的とする両締約国の政府間の特別の計画に基づいて行われ、かつ、いずれかの締約国若しくはいずれかの締約国の地方政府若しくは地方公共団体の公的資金又はいずれかの締約国の特別の法人若しくは非営利団体の資金により実質的に賄われる場合には、その所得については、当該一方の締約国において租税を免除する。
 
 
第18条 次条(2)の規定が適用される場合を除くほか、過去の勤務につき一方の締約国の居住者に支払われる退職年金その他これに類する報酬及び一方の締約国の居住者に支払われる保険年金に対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。
 
 
第19条  
(1) 
(a)政府の職務の遂行として一方の締約国又は当該一方の締約国の地方政府若しくは地方公共団体に提供される役務につき、個人に対し、当該一方の締約国又は当該一方の締約国の地方政府若しくは地方公共団体によつて支払われる報酬(退職年金を除く。)に対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。
(b)もつとも、当該役務が他方の締約国において提供され、かつ、(a)にいう個人が次の(i)又は(ii)に該当する当該他方の締約国の居住者である場合には、その報酬に対しては、当該他方の締約国においてのみ租税を課することができる。
(i)当該他方の締約国の国民
(ii)専ら当該役務を提供するため当該他方の締約国の居住者となつた者でないもの
(2) 
(a)一方の締約国又は当該一方の締約国の地方政府若しくは地方公共団体に提供される役務につき、個人に対し、当該一方の締約国若しくは当該一方の締約国の地方政府若しくは地方公共団体によつて支払われ、又は当該一方の締約国若しくは当該一方の締約国の地方政府若しくは地方公共団体が拠出した基金から支払われる退職年金に対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。
(b)もつとも、(a)にいう個人が他方の締約国の居住者であり、かつ、当該他方の締約国の国民である場合には、その退職年金に対しては、当該他方の締約国においてのみ租税を課することができる。
(3)一方の締約国又は当該一方の締約国の地方政府若しくは地方公共団体が行う事業に関連して提供される役務につき支払われる報酬又は退職年金については、第15条から前条までの規定を適用する。
 
 
第20条  
(1)大学、学校その他の公認された教育機関において専ら教育又は研究を行うため一方の締約国を訪れ、2年を超えない期間一時的に滞在する教授、教員又は研究者であつて、現に他方の締約国の居住者であり、又は訪れる直前に他方の締約国の居住者であつたものは、その教育又は研究に係る報酬につき、当該一方の締約国において租税を免除される。
(2)(1)の規定は、主として特定の者の私的利益のために行われる研究から生ずる所得については、適用しない。
 
 
第21条  
(1)一方の締約国を訪れた時点において他方の締約国の居住者であつた個人であつて、主として、
(a)当該一方の締約国内の大学その他の公認された教育機関において勉学をするため、
(b)職業上の若しくは専門家の資格に必要な訓練を受けるため、又は
(c)政府若しくは宗教、慈善、学術、文芸若しくは教育の団体からの交付金、手当若しくは奨励金の受領者として勉学若しくは研究をするため、当該一方の締約国内に一時的に滞在するものは、次のものにつき、当該一方の締約国において租税を免除される。
(i)生計、教育、勉学、研究又は訓練のための海外からの送金
(ii)交付金、手当又は奨励金
(iii)当該一方の締約国内で提供する人的役務によつて取得する所得であつて年間1500合衆国ドル又は日本円若しくはフィリピン・ペソによるその相当額を超えないもの
(2)(1)の規定に基づく特典は、滞在の目的を達成するために合理的又は慣習的に必要とされる期間についてのみ与えられる。ただし、その特典は、いかなる場合にも、(1)(a)の場合には引き続き5年を超える期間、(1)(b)及び(1)(c)の場合には引き続き3年を超える期間、与えられることはない。
(3)一方の締約国を訪れた時点において他方の締約国の居住者であつた個人であつて、当該他方の締約国の居住者の使用人として又は当該居住者との契約に基づき、当該居住者以外の者から技術上、職業上又は事業上の経験を習得することを主たる目的として1年を超えない期間当該一方の締約国内に滞在するものは、その経験の習得に関連して提供する自己の人的役務に対するその期間の報酬につき、当該一方の締約国において租税を免除される。ただし、海外から受領する金額と当該一方の締約国内で支払われる金額との合計が年間4000合衆国ドル又は日本円若しくはフィリピン・ペソによるその相当額を超えない場合に限る。
(4)一方の締約国を訪れた時点において他方の締約国の居住者であつた個人であつて、当該一方の締約国の政府が主催する計画に参加する者として訓練、研究又は勉学を主たる目的として1年を超えない期間当該一方の締約国内に滞在するものは、その訓練、研究又は勉学に関連して提供する自己の人的役務に対するその期間の報酬につき、当該一方の締約国において租税を免除される。ただし、海外から受領する金額と当該一方の締約国内で支払われる金額との合計が年間4000合衆国ドル又は日本円若しくはフィリピン・ペソによるその相当額を超えない場合に限る。
 
 
第22条  
(1)一方の締約国の居住者の所得(源泉地を問わない。)で前各条に規定がないものに対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。
(2)(1)の規定は、一方の締約国の居住者である所得(第6条(2)に規定する不動産から生ずる所得を除く。)の受領者が、他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該所得の支払の基因となつた権利又は財産が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質的に関連するものであるときは、当該所得については、適用しない。この場合には、第7条又は第14条の規定を適用する。
 
 
第23条  
(1)フィリピンにおいて生ずる所得について納付されるフィリピンの租税の額は、日本国以外の国において納付される租税を日本国の租税から控除することに関する日本国の法令に従い、当該所得について納付される日本国の租税の額から控除する。控除を行うに当たり、当該所得が、フィリピンの居住者である法人によりその議決権のある株式又はその発行済株式の少なくとも25パーセントを所有する日本国の居住者である法人に対して支払われる配当である場合には、当該配当を支払う法人がその所得について納付するフィリピンの租税を考慮に入れるものとする。
(2)日本国において生ずる所得について納付される日本国の租税の額は、フィリピン以外の国において納付される租税をフィリピンの租税から控除することに関するフィリピンの法令に従い、当該所得について納付されるフィリピンの租税の額から控除する。控除を行うに当たり、当該所得が、日本国の居住者である法人によりその議決権のある株式又はその発行済株式の過半数を所有するフィリピンの居住者である法人に対して支払われる配当である場合には、当該配当を支払う法人がその所得について納付する日本国の租税を考慮に入れるものとする。
(3)(1)の第一文に規定する控除の適用上、フィリピンの租税は、常に、第10条(3)の規定が適用される配当については20パーセントの率で、第11条(2)(a)又は(3)の規定が適用される利子及び第12条(3)の規定が適用される使用料については15パーセントの率で支払われたものとみなす。
 
 
第24条  
(1)一方の締約国の国民は、他方の締約国において、同様の状況にある当該他方の締約国の国民に課されており若しくは課されることがある租税若しくはこれに関連する要件以外の又はより重い租税若しくはこれに関連する要件を課されることはない。
(2)一方の締約国の企業が他方の締約国内に有する恒久的施設に対する租税は、当該他方の締約国において、同様の活動を行う当該他方の締約国の企業に対して課される租税よりも不利に課されることはない。この規定は、一方の締約国に対し、家族の状況又は家族を扶養するための負担を理由として自国の居住者に認める租税上の人的控除、救済及び軽減を他方の締約国の居住者に認めることを義務付けるものと解してはならない。
(3)第9条、第11条(8)又は第12条(7)の規定が適用される場合を除くほか、一方の締約国の企業が他方の締約国の居住者に支払つた利子、使用料その他の支払金については、当該企業の課税対象利得の決定に当たつて、当該一方の締約国の居住者に支払われたとした場合における条件と同様の条件で控除するものとする。
(4)一方の締約国の企業であつてその資本の全部又は一部が他方の締約国の一又は二以上の居住者により直接又は間接に所有され又は支配されているものは、当該一方の締約国において、当該一方の締約国の類似の他の企業に課されており若しくは課されることがある租税若しくはこれに関連する要件以外の又はより重い租税若しくはこれに関連する要件を課されることはない。
(5)この条の規定は、第2条の規定にかかわらず、すべての種類の税に適用する。
(6)(1)から(5)までの規定にかかわらず、フィリピンは、次の法令によつて与えられる租税上の特典を享受する者をその国民に限定することができる。
(a)投資奨励法(共和国法第5186号)、輸出奨励法(共和国法第6135号)、観光産業投資奨励計画(大統領令第535号)又は農業投資奨励法(大統領令第1159号)。ただし、これらの法令が、この条約の署名の日に有効であり、かつ、当該署名の日以後改正されていないか又はその改正がその基本的性格に影響を及ぼさない程度の軽微な点についてのみのものであることを条件とする。
(b)フィリピンの経済開発計画のためにフィリピンにおいて制定されるその他の法令で、両締約国の政府間の合意により決定されるもの
 
 
第25条  
(1)いずれか一方の又は双方の締約国の措置によりこの条約の規定に適合しない課税を受け又は受けるに至ると認める者は、その事案について、当該締約国の法令で定める救済手段とは別に、自己が居住者である締約国の権限のある当局に対して又はその事案が前条(1)の規定の適用に関するものである場合には自己が国民である締約国の権限のある当局に対して、申立てをすることができる。当該申立ては、この条約の規定に適合しない課税に係る当該措置の最初の通知の日から3年以内に、しなければならない。
(2)権限のある当局は、(1)の申立てを正当と認めるが、満足すべき解決を与えることができない場合には、この条約の規定に適合しない課税を回避するため、他方の締約国の権限のある当局との合意によつてその事案を解決するよう努める。
(3)両締約国の権限のある当局は、この条約の解釈又は適用に関して生ずる困難又は疑義を合意によつて解決するよう努める。両締約国の権限のある当局は、また、この条約の対象である祖税に関し、この条約に定めのない場合における二重課税を除去するため、相互に協議することができる。
(4)両締約国の権限のある当局は、(2)及び(3)の合意に達するため、直接相互に通信することができる。
 
 
第26条  
(1)両締約国の権限のある当局は、この条約を実施するため、この条約の対象である租税に関する脱税を防止するため、又はこの条約の対象である租税の回避に対処することを目的とする法規を実施するために必要な情報を交換するものとする。交換された情報は、秘密として取り扱うものとし、この条約の対象である租税の賦課徴収に関与する者又は当局(裁判所を含む。)、これらの租税に関する不服申立てについての決定に関与する者又は当局(裁判所を含む。)及び当該情報に関係を有する者以外のいかなる者又は当局にも開示してはならない。
(2)(1)の規定は、いかなる場合にも、一方の締約国に対し、次のことを行う義務を課するものと解してはならない。
(a)当該一方の締約国又は他方の締約国の法令及び行政上の慣行に抵触する行政上の措置をとること。
(b)当該一方の締約国又は他方の締約国の法令の下において又は行政の通常の運営において入手することができない情報を提供すること。
(c)営業上、事業上、産業上、商業上若しくは職業上の秘密若しくは取引の過程を明らかにするような情報又は公開することが公の秩序に反するような情報を提供すること。
 
 
第27条 この条約のいかなる規定も、国際法の一般原則又は特別の協定に基づく外交官又は領事官の租税上の特権に影響を及ぼすものではない。
 
 
第28条 この条約のいかなる規定も、日本国の居住者であるフィリピンの市民に対してフィリピンの法令に従つて租税を課するフィリピンの権利を害するものと解してはならない。もつとも、日本国は、当該租税について税額控除を認めることを義務付けられない。
 
 
第29条  
(1)この条約は、両締約国によりそれぞれの憲法及び法律の定めるところに従つて批准されなければならない。批准書は、できる限り速やかにマニラで交換されるものとする。
(2)この条約は、批准書の交換の日の後30日目の日に効力を生ずるものとし、次のものについて適用する。
(a)日本国においては、
 批准書の交換が行われた年の翌年の1月1日以後に開始する各課税年度の所得
(b)フィリピンにおいては、
(i)批准書の交換が行われた年の翌年の1月1日以後に支払われる金額について源泉徴収される租税
(ii)批准書の交換が行われた年の翌年の1月1日以後に開始する各課税年度のその他の租税
 
 
第30条 この条約は、無期限に効力を有する。ただし、いずれの一方の締約国も、この条約の効力発生の日から3年の期間が満了した後に開始する各年の6月30日以前に、外交上の経路を通じて他方の締約国に対し書面による終了の通告を行うことができる。この場合には、この条約は、次のものについて効力を失う。
(a)日本国においては、
 終了の通告が行われた年の翌年の1月1日以後に開始する各課税年度の所得
(b)フィリピンにおいては、
(i)終了の通告が行われた年の翌年の1月1日以後に支払われる金額について源泉徴収される租税
(ii)終了の通告が行われた年の翌年の1月1日以後に開始する各課税年度のその他の租税
 

以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。
1980年2月13日に東京で、英語により本書二通を作成した。
 
議定書

所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約(以下「条約」という。)の署名に当たり、下名は、条約の不可分の一部をなす次の規定を協定した。

1 条約第7条(1)に関し、一方の締約国の企業が、他方の締約国内にある恒久的施設を通じて販売する物品若しくは商品と同一若しくは類似の種類の物品若しくは商品を当該他方の締約国内において販売することによつて取得する利得又は当該恒久的施設を通じて行うその他の事業活動と同一若しくは類似の種類の事業活動を当該他方の締約国内において行うことによつて取得する利得については、当該同一若しくは類似の種類の物品若しくは商品の販売又は当該同一若しくは類似の種類の事業活動が租税を回避するために行われたものであることが立証された場合に限り、これを当該恒久的施設に帰せられるものとすることができる。
2 条約第7条(3)に関し、企業の恒久的施設が当該企業の本店若しくは他の事務所に支払つた又は振り替えた支払金(実費弁償に係るものを除く。)で次に掲げるものについては、損金に算入することを認めない。
(a)特許権その他の権利の使用の対価として支払われる使用料、報酬その他これらに類する支払金
(b)特定の役務の提供又は事業の管理の対価として支払われる手数料
(c)当該恒久的施設に対する貸付けに係る利子(当該企業が銀行業を営む企業である場合を除く。)
3 条約第10条(3)、第11条(3)及び第12条(3)の規定の適用上、「フィリピンの投資奨励法令」とは、次のものをいう。
(a)投資奨励法(共和国法第5186号)、輸出奨励法(共和国法第6135号)及び農業投資奨励法(大統領令第1159号)。ただし、これらの法令が、条約の署名の日に有効であり、かつ、当該署名の日以後改正されていないか又はその改正がその基本的性格に影響を及ぼさない程度の軽微な点についてのみのものであることを条件とする。
(b)フィリピン共和国の経済開発計画のためにフィリピン共和国において制定されるその他の法令で、両締約国の政府間の合意により決定されるもの
4 条約第16条に関し、法人の役員が管理的又は技術的性格を有する日常的な職務の遂行につきその法人から取得する報酬については、条約第15条の規定を準用する。この場合において、当該報酬は、勤務についての報酬とみなし、「雇用者」とあるのは「法人」と読み替えるものとする。
5 条約のいかなる規定も、フィリピン共和国が、日本国の居住者である法人の収益(船舶又は航空機を国際運輸に運用することによつて取得するものを除く。)で当該法人のフィリピン共和国内に有する恒久的施設に帰せられるものに対し、当該法人がフィリピン共和国の居住者であるとしたならばその所得に対して課されることとなる租税に加えて租税を課することを妨げるものと解してはならない。ただし、この付加的な租税の額は、当該収益のうち海外に送金される額の10パーセントを超えないものとする。この場合において、「収益」とは、いずれかの年及びその年前の数年においてフィリピン共和国内にある恒久的施設に帰せられる利得の額から、当該利得に対してフィリピン共和国が課するすべての租税(この規定にいう付加的な租税を除く。)の額を控除した額をいう。
 

以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの議定書に署名した。
1980年2月13日に東京で、英語により本書二通を作成した。



居住外国法人と非居住外国法人
2017/11/19

 フィリピン会社法における「外国法人」の定義は、フィリピン以外の国の法律により設立・組織化された法人のことを外国法人といいます。(日本法人が設立した現地法人は法律上の外国法人ではないことに留意してください。)

 所得税法上、外国法人は居住外国法人(Resident Foreign Corporations)と非居住外国法人(Non Resident Foreign Corporations)  とに分類されます。居住外国法人とはフィリピンにおいて事業活動を行っている法人のことであり、一方で非居住外国法人とはフィリピンで事業活動を行わない法人のことを指します。所得税法上、本質的に居住外国法人と非居住外国法人は同じとされています。

 

 居住外国法人及び非居住外国法人は課税される方法にそれぞれの違いはありますが、共通しているのはフィリピンにおいて得られた所得(国内源泉所得)に対して課税され、フィリピン国外においてえられた所得(源泉所得)に対しては課税されないということです。課税範囲が日本の法人税法におけるそれとが異なるのが特徴です。

 非居住外国法人 (NRFC)への課税は基本的にフィリピン国内源泉所得における収入額の30%が課税され、居住外国法人(RFC)は課税所得に対して30%の税率が摘要されます。また居住外国法人は法人所得税の申告やその他の税務申告や届出が必要となります、一方、非居住外国法人はそれらの申告を必要とせず Final Withholding Taxと呼ばれる源泉徴収義務者による源泉分離課税方式での課税により納税が完結します。

 事業体がフィリピン国内において居住外国法人または非居住外国法人であるかを判断するための基準として、フィリピンにPermanent Establishment (PE) の存在の有無を認識されることとなります。PEとはフィリピンにおいて事業を行う際に拠点となる場所のことですが、オフィスや倉庫、工場、支店等がPEの例として挙げられます。その他の例として、ある一定の期間フィリピンに代表者、事業責任者やエージェントなどが駐在するケースや活動内容の性質や種類により認定されることもあります。PE認定された場合、外国の保人や事業体がPEを通じて事業やビジネスを展開しているとされ、PEに帰属する収入はフィリピンにおける法人所得税等の対象となります。

 分かりやすいPE認定の一例として、外国法人がフィリピンに支店を設けることで結果的にPE認定されることになります。またさらに分かりやすい例として外国法人がフィリピンで事業を行うために Philippines Security Exchange Commission (SEC)に登録することがありますが、それは単なる支店としての登録ではあっても、居住外国法人(Residend Foreign Corporations) と認定されます。また支店(居住外国法人と認定された事業所)は、Breau of Revenue に登録する義務があり、法人所得税やその他の事業所に関連する税の申告及び納税義務を負うこととなります。

 しかしながら、短期間の事業活動を行う事業体ではあるが、PE認定されうる十分な要件を備えた事業体はどうでしょうか。それらは居住外国法人または非居住外国法人と認定されるのでしょうか。

 これに対する比較的新しい租税審理裁判所の判例 (Court of Tax Appeal Case 6388, August 22th, 2005) として、以下のように判決が下されています。

「税制上、PE認定されたというだけであれば、税制上の地位は非居住外国法人としての立場を有することとなる。これはSECから事業ライセンスを取得しておらず、且つBIR (Breau of Internal revenue) に登録していない事業所を取り扱ったケースです。この場合は、非居住外国法人として扱われ、税金の納付形態はFinal Withholding Tax により徴収されるのみとされています。

 一方、BIRは裁判所の判例とは異なる取り扱いをしています。フィリピンにおけるPE認定された外国法人に対するFinal withholding Taxの対象となる支払に対しては多くの確認事項が要求されます。また居住外国法人として扱われる事業所、すなわちフィリピンにおいて事業活動を行うとしてPE認定を受けた事業所もまた多くのルール付けが近年されるようになりました。その場合は、Tax Identification Number (TIN:納税者番号)の取得が義務付けられるようになります。しかしながら、PE認定における登録に関する特定の税務ガイドラインがきちんと定まっておらず、これが税務手続を混乱させる要因となっています。一つのルールとして外国法人はPEの事業所の所在地を登録することが出来るとされています。我々の会社の管轄税務署(RDO 39)によれば、ワンタイムTINの取得で足りるということを公式に発表していますが、これも管轄税務署により考え方や取り扱いが異なる一つの例といえるでしょう。

 

 これらの情報を踏まえて、総合的に判断して得られる結論は、PE認定された外国法人はフィリピンにおいて事業活動を行う限りはその事業所は居住外国法人として扱われるのが一般的でしょう。しかし、SEC等に登録していない外国法人に関しては、PE認定や納税方法についてさらに慎重に検討して統一したルール作りをするべき分野だろうと考えています。これからの経済発展に伴って進出する外国企業もますます増える傾向にあります。PE認定されるかどうか、居住外国法人として扱われるか、非居住外国法人となるかの統一したルール作りが急務といえるでしょう。

 

 

 








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